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2015年6月29日 (月)

文芸時評7月号 『アドルフに告ぐ』を観た 早稲田大学教授・石原千秋 

 『「ボヴァリー夫人」論』(筑摩書房)を刊行した後の蓮實重彦が絶好調だ。磯崎憲一郎との対談「愚かさに対するほとんど肉体的な厭悪」(新潮)では、小説における事実のまちがいに触れて、「しかし、『テクスト的な現実』を無視して、史実に照らし合わせて正しくないなどと言い出すなら、小説なんか読むなってことですよ。それはもう小説の『テクスト』ではなくなるんだから」とか「『作者を超えて言葉が一人歩きする』ことは絶対にある」など、小説を読む楽しさをズバリと言う。《産経「テクスト的現実」の快楽 7月号 早稲田大学教授・石原千秋》 

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