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2015年4月29日 (水)

谷崎潤一郎没後50年 最先端、妖艶、豊壌な物語

谷崎潤一郎の没後50年に合わせ、書簡集や対談集、作家や評論家らによる谷崎論を収めたムック本などが刊行されている
 「内容と形式のかかわり合いがこの作品の本質」とは阿部さん。描かれるのは美人で傲慢な盲目の三味線師匠・春琴に仕える佐助の献身的な愛。何者かに顔を傷つけられた春琴の美を永遠化するかのように佐助は自らの目を針で突く。凄絶(せいぜつ)な名編は「鵙屋(もずや)春琴伝」という小冊子をもとに語り手が2人の歩みをたどる多層構造をもつ。結果、伝記の文語体や大阪弁など多彩な音色が句読点の少ないうねるような文の中で響きあう。奥泉さんは「文章にグルーブ感(高揚感)がある。近代小説全体の中でも突出した切れ味」と語った。
 晩年の『鍵』はカタカナとひらがなの日記を交互に配したサスペンスタッチ。『瘋癲老人日記』でも時代を先取りし老人の性をつづった。「実験性に富みテーマやジャンルは多彩。古典的でかつ最先端」(辻原さん)。来年の生誕130年に向けて豊壌な物語への関心はさらに高まりそうだ。
谷崎潤一郎没後50年 古典的かつ最先端、妖艶、豊壌な物語(4月27日産経)

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