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2015年2月 8日 (日)

 第1回林芙美子文学賞

 「第1回林芙美子文学賞」(北九州市主催、中央公論新社協力)の選考結果が1月29日発表され、東京都世田谷区、グラフィックデザイナー井岡道子さん(64)の「次つぎの人」が大賞に選ばれた。
 東京で一人暮らしの女性が、四国の山村で過ごした祖母との最後の時間を描いた。大賞の賞金は100万円。中央公論新社の「婦人公論」(4月14日号)に掲載され、2月28日に北九州市で表彰式が行われる。
 他の受賞者は以下の通り。(敬称略)
 ◇佳作 志馬さち子(48)(東京都練馬区)「うつむく朝」、高倉やえ(77)(同千代田区)「ものかげの雨」
関連記事(読売新聞2015年01月31日)九州市初の林芙美子文学賞 「プロの作家誕生期待」
 東京都世田谷区、グラフィックデザイナー井岡道子さん(64)の「次つぎの人」が大賞に決まった北九州市主催の「第1回林芙美子文学賞」(中央公論新社協力)には、国内外から1600編を超える作品が集まった。新人作家の発掘につなげようと今年度創設された文学賞は、旬の女流作家を選考委員にそろえ、1次選考を一般公募の市民が務めるなどユニークな取り組みでも注目された。
 林芙美子(1903~51年)は幼少期を若松区で過ごしたという。その後、自伝的小説「放浪記」がベストセラーとなった。多くの短編小説をのこした林芙美子にちなみ、応募条件も原稿用紙50枚以内の短編にした。
 市が昨年まで主催していた「自分史文学賞」は応募数が300編余りで、市も当初、応募作の目標数を500編としていた。だが、集まったのは、予想を大幅に上回る1602編。応募者の年齢層は12~93歳と幅広く、全都道府県に加え、米国やドイツなどからも作品が寄せられた。
 最終選考は、直木賞作家の角田光代さんと井上荒野さん、芥川賞作家の川上未映子さんの3人が担当。29日に記者会見した今川英子・市立文学館長は「今、一番忙しいと言われる魅力的な作家を選考委員にそろえたことで、非常に多くの作品が集まった」と分析した。
 公募した市民による1次選考も話題を集めた。公募選考員には13人が就任。1作品を2人で採点する方式で1602編を104編に絞った。今川館長は「市民が参加することで、賞を身近に感じて盛り上がりにもつながる」と期待する。
 佳作に選ばれた高倉やえさん(77)(東京都千代田区)は北九州市出身で、同市内からの応募作品も140編に上った。今川館長は「この賞からプロの作家が生まれてくれることを期待したい」と話していた。

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