島本理生さんに第21回島清しませ恋愛文学賞
第21回島清しませ恋愛文学賞に、作家・島本理生さん(31)の「Red」(中央公論新社)が選ばれた。贈呈式は3月22日、金沢市の「しいのき迎賓館」で行われる。
島本さんは1983年、東京都生まれ。都立高校3年だった2003年、「リトル・バイ・リトル」で芥川賞候補になり、同作で野間文芸新人賞に輝いた。若い男女の切ない恋愛を描き続けている。
「Red」は不倫愛がテーマ。子育て中の31歳の専業主婦が、かつての恋人ら3人の男性との恋愛の渦に巻き込まれていく。作中には、冬の金沢も登場する。
選考委員の1人の村山由佳さんは「大人の恋愛小説に真っ向から挑戦した。覚悟を持って書いたことが感じられる。この作品をきっかけに大きく成長することを期待したい」と評価した。
受賞の連絡を受け、島本さんは「大変光栄。華やかで力のある女性作家の賞というイメージがあったので、自分がこれからも書き続けていいんだという自信になる」と喜びのコメントを寄せた。
島清恋愛文学賞は石川県の旧美川町(現・白山市)出身の作家・島田清次郎(1899~1930年)にちなんだ文学賞で、「失楽園」などの恋愛小説で知られ、昨春死去した渡辺淳一さんらが1993年に創設。最近では桐野夏生さんや林真理子さん、桜木紫乃さんの作品が選ばれるなど、多くの人気作家が受賞している。(読売新聞2月12日付)
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