文芸同人誌「婦人文芸」95号(横浜市)
【「白いカバンの記憶」野中麻世】
眞藤という警官の視点で、窃盗事件の記憶を語る。容疑者に白いスカートと白いカバンの女があがった、状況だけで、これといった証拠はなにもなく、犯人がみつからなかった。事件捜査で彼を尊重してくれた望田という刑事が国会議員になった。彼の妻として紹介されたのが、窃盗事件を調べた時の白いカバンの女性であった。その後、その妻が万引き事件を起こして、友人は議員辞職する話にからめて、警察官時代での望田との剣道修業に汗を流した時のことを回想する。
ミステリー風の肩の凝らない読み物である。散文技術として、話の場面印象づけのつなぎ方がうまい。
発行所=〒220―0055横浜市西区浜松町6-13-402、舟田方。「婦人文芸の会」
紹介者=「詩人回廊」北一郎
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