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2014年10月28日 (火)

著者メッセージ: 辻村深月さん 『家族シアター』

  家族というのは、厄介なものです。
  一番身近で、あたたかい存在。頼りになるし、大好きで、大事な人たち。
  しかし、身近だからこそ遠慮がなくてイライラするし、他人とだったら やらないような衝突もしてしまう。見なくていいところまで見えてしまう せいで、かっこわるいと思うこともたくさんある。
  そして、自分でいくら悪口を言ったとしても、いざ他人から悪く言われると急に庇いたくなってしまう――家族というのは、そんなふうに、“大好きだけど、大嫌い”な存在だと思います。『家族シアター』は、そんな7組の家族が直面する事件を描いた短編集です。
  それは新聞に載るような大事件ではないかもしれないですが、当事者たちにとっては真剣そのものな大問題。いわば、家族内の“ささやかな大事件”です。
 「“大好きだけど大嫌い”な家族の“ささやかな大事件”」と書くと、矛盾 しているように感じますが、きっと、多くの家族の日常は、こうやって流れているのだと思います。
  ご自分の家族に引き寄せて読んでいただければ、とても嬉しいです。 (辻村深月)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2014年10月15日号より)

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