文芸交流会(町田市)最近の活動から=外狩雅巳
町田市公民館で定例化した文芸交流会です。今月は29日に開催します。前回の8月例会では、「群系」に掲載した小野友貴枝さんの「会長ファイル」について話題が弾みました。作者の小野さんは所属する市の社会福祉協会での活動が長く、福祉センターの会長時代の体験を作品化しました。感想などの討論の中で、著者が社会福祉協会の実態を知らせてくれました。
社会福祉協会の現状として、収支の透明性に曖昧さや不透明さが存在し、それが日常化して担当者が金銭感覚に麻痺し不正につなりかねないと話しました。作品では、窓口職員による横領疑惑騒動につながる杜撰な管理体制のなかで、女性幹部としての苦闘ぶりを書きました。
それが、文芸同人誌「群系」33号掲載の小説「会長ファイル」で、人事と組織関連の面から、男性社会で統括責任者として格闘する女性の一年間をレポート的に作品化しています。組織財政の立て直しを阻む事なかれ公務員の男達。財政改革を成し遂げた主人公の日々。そのフィクションの裏にある自治体社会福祉協会の杜撰な実態を作者が指摘しました。しかし、私はこの事こそ作品化して同人誌に掲載して欲しい内容だと思いました。
このところ、町田文芸交流会は文芸同志会の伊藤昭一さんが参加して貴重な意見を述べてくれます。前回は「小説における天来の閃き」と題したレジュメを配布し説明しました。作家・伊藤圭一氏に師事して会得したポイントが記載されています。その中から引用して小説「会長ファイル」への助言も行ってくれました。9月例会用には、参加者のエッセイ作品について、文芸としてジャンルの「詩」、「散文詩」、「散文」という形式の原理を解説するレジュメをすでに作成しています。
今後は、参加者拡大を目指して町田市との連携も考えています。
《参照:外狩雅巳のひろば》
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