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2014年9月 5日 (金)

文芸同人誌「あるかいど」第53号(大阪市)

 本誌同人の奥田寿子さんの作品「女ともだち」が、雑誌「文学界」1014年上半期同人雑誌優秀作で掲載されたという。どの作品も書きだしを読むだけで、かなり充実したものであろうことがわかる。そのなかで、ぱっと一目で何かを言えるものにしか触れられない。同人誌読みの不可解さは自らの中にある。編集後記(あふち)さんが、今回の19作品を読んでいて、「自分が今、ここに生きていると実感した」とある。たしかに、別の世界が垣間見えるものがある。
【「敗戦紀」善積健司】
 善を積むという筆名が面白い。ラッパーという職業になるのかどうか。瞬時にリズムのある言葉を駆使して人の心をつかむ表現の作業である。そのバトルの様子と、ラッパーと小説を書くこととのつながりを語る。エッセイとあるが、文章にスタイルが出来ていて、読ませられる。このまま小説になっている。三田文学の同人雑誌評で前作「ベランダの向こう」が評されている。やはり文章スタイルとテーマが現代的なところが良いのであろう。ラップのリズムの照応した文体の開発が期待できそう。現代的で刺激的な側面があるので、読者ファン層を生むような対応策があればもっと良いのかも。
〒545-0042大阪市阿倍野区丸山通2-4-10-203、高畠方。
紹介者=「詩人回廊」北一郎

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