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2014年7月28日 (月)

文芸時評8月(産経)テクスト論者 早稲田大学教授・石原千秋 

 川端康成の投函(とうかん)されなかった書簡が「文芸春秋」に掲載された。なぜいまなのか不審に思うし、なぜこういうプライバシーを暴かなければならないのか。川端の「初恋」の女性・伊藤初代の川端宛書簡まで公開されているのだ。『伊豆の踊子』の「原点の女性」というわけだ。しかし、川端はともかく、伊藤初代は市井に生きた人である。そのプライバシーを暴かなければできない文学研究の意義を否定するつもりはないが、生理的嫌悪感を抱く。だから僕は、作者に関する情報を論に組み込まない「テクスト論者」なのである。(8月号 テクスト論者として 早稲田大学教授・石原千秋) 

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