文章論を穂高健一氏に読む
穂高健一氏の文章教室の講師の現場からの話が面白い。プロの作家も発想の整理に読みに来るという。エッセイ用とはいいながら小説創作にも参考になる。
【事例研究】
A 良くない例
・婚約を破棄した。かれは他の既婚女性と深い関係だった。私と付き合う以前からだと認めた。とても許せなかった。この事情を両親に話せば、そんな陰のある性格なら、結婚してから離婚するより、いまの方が良いだろう、と言われた。
底(結論)が割れてしまっている。婚約はすでに破棄しているから、ハラバラドキドキ感がなくなる
・中禅寺湖の湖畔の紅葉がいま盛りだった。旅仲間の眼が赤く染まり、それぞれデジカメで撮っていた。それから、お土産物屋に立ち寄った。色づいたのは9月後半からですよ、と店員におしえられた。
単なる説明にすぎなくなる。
・どろどろの水田で転んでしまった。嫌だな、と身を見た。この5月には農家に体験で出かけたときのことだった。
後付では、緊張感がそがれてしまう
B 現在進行形ばかり書いていくと、作品が平板になります。しかし、唐突に過去に入ると、読者は混乱してしまいます。
ここから過去に入りますよ、と読者にしっかり知らしめてから、過去の描写にも入ることです。
《参照:穂高健一エッセイ教室》
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