« 西日本文学展望「西日本新聞」(5月28日朝刊)長野秀樹氏 | トップページ | 円城塔氏など日本のSF小説が、北米翻訳で支持拡大 »

2014年6月 3日 (火)

著者メッセージ: 畑野智美さん 『メリーランド』

 『南部芸能事務所』を書いていた時、シリーズ化するとは思っていませんでした。第七話のタイトルである「サンパチ」は、漫才をする時に使われる マイクのことです。そこには、漫才師の誇りが詰まっています。このタイトルの話を書き、華麗に着地するこを目標に書き進めました。しかし、その 「サンパチ」の中に、鹿島という女の子を出した時から、私の中で事情が変 わりました。「この話には、つづきがある。鹿島の話を書きたい」という気持ちが湧いてきたのです。原稿を編集者さんに送った後の打ち合わせの際に 「あの、実は鹿島の話があるんですが……」と言ってみたところ、その場でシリーズ化が決まりました。
  シリーズ化していただけたことにより、「夢を追うことの幸福と不幸、夢を諦めることの幸福と不幸」という二つのテーマを『メリーランド』で揃えることができました。彼らは今後どうなっていくのか、シリーズはまだまだ つづきます。 (畑野智美)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2014年6月1日号より)

|

« 西日本文学展望「西日本新聞」(5月28日朝刊)長野秀樹氏 | トップページ | 円城塔氏など日本のSF小説が、北米翻訳で支持拡大 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 西日本文学展望「西日本新聞」(5月28日朝刊)長野秀樹氏 | トップページ | 円城塔氏など日本のSF小説が、北米翻訳で支持拡大 »