« 電子出版市場が1千億円超え、2013年度インプレス総研調査 | トップページ | 同人誌「文芸きなり」第78号(三重県三重郡) »

2014年6月27日 (金)

穂高健一の歴史書!髙間省三を描く『二十歳の炎』

 髙間省三は満20歳で浪江で戦死した。そして、広島護国神社の筆頭祭神に祀られた。明治20年代の「軍人龜鑑」には、英雄として、加藤清正、山田長政、徳川家康などと並んで表記されている。《参照:穂高健一ワールド
 軍人・武勲ではなく、頼山陽(広島)の皇国史観の延長上で、若くして死んだ高間省三を評価しているのだ。
 江戸時代260年間は国内外で一度も戦争がなかった。明治時代になると、軍事国家となり、10年に一度は海外で戦争する国家になった。日本人の庶民の多くの血を流させてきた。戊辰戦争が平和国家から軍事国家になった。ここが原点となった。
 これまで歴史小説作家たちは、明治維新を生み出した薩長の立場で書かれていた。このスタンスで読めば、平和国家がなぜ軍事国家になったか、という教訓は得難い。この後、私たちが平和国家か、戦争国家か、それを判断させれるときに、戊辰戦争から、学んでほしい会津城と比べると、浜通りの戦の研究者は少なく、実に薄い資料だった。
 それでも、楢葉町、富岡町、双葉町、浪江町、南相馬町、相馬市の各教育委員会の歴史専門員が協力してくださった。
 原発事故で、まだ立ち入り困難区域だった。役場職員だから、一次帰省で、市役所や公民科の資料室から該当資料を運び出してきてくれた。頭が下がる思いだった。 
 広島側と福島側の資料がそろったのが、昨年末である。そして、ことし(2014年6月)に「二十歳の炎」が世に送り出された。


|

« 電子出版市場が1千億円超え、2013年度インプレス総研調査 | トップページ | 同人誌「文芸きなり」第78号(三重県三重郡) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 電子出版市場が1千億円超え、2013年度インプレス総研調査 | トップページ | 同人誌「文芸きなり」第78号(三重県三重郡) »