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2014年6月22日 (日)

著者メッセージ: 星野智幸さん 『夜は終わらない』

  私の渾身の長篇、『夜は終わらない』をお届けします。「渾身の」という のは、私も全力を注ぎましたが、小説の中で登場人物たちが命がけで物語を 語っていることを指しています。彼らは主人公の玲緒奈に死の一歩手前まで 追いつめられながら、とんでもない空想力を発揮して、次々と奇想天外な物 語を繰り出します。物語が物語を呼んでいくうち、お話自体が迷宮となって いき、聞いている玲緒奈はむろん、読者も、書き手の私でさえ、
迷っていく のです。迷うって、なんて愉楽に満ちているのでしょう!
  そう、この作品は『アラビアンナイト』を現代の日本に置き換える形で できあがっています。殺伐とした世界である『俺俺』を書き終えた後、たま たま読んだ『アラビアンナイト』に、私は仰天しました。破天荒で、生命力に満ちていて、残酷でエロティックで、じつに豊穣な世界でした。これを、今の空虚な日本社会で拠り所としたい、と痛切に思いました。 とにかく、小説に身を任せてみてください。そうすれば、物語が行きつく ところまであなたを運んでくれるでしょう。(星野智幸)
⇒『夜は終わらない』特設サイトにて、著者インタビュー動画ほか公開!(講談社『BOOK倶楽部メール』 2014年6月15日号より) 

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