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2014年6月23日 (月)

村岡恵理 NHK朝ドラ「花子とアン」を語る

 終戦から7年後、『赤毛のアン』は三笠書房から刊行された。ドラマではこの辺りまでが描かれる。脚本には『赤毛のアン』のエピソードや名言が随所にちりばめられ、ヒロイン花子の家族構成などの設定も実際とは異なる。花子は山梨県の甲府で生まれ、5歳のときに家族で上京しているが、ドラマでは実家はずっと甲府という設定になった。《参照:産経新聞6月18日ー村岡恵理 楽しみな朝ドラ「花子とアン」 心通じ合う父娘に救われ
 もっとも大きな違いは父娘の関係だろうか。茶商人だった花子の父は娘の資質をいち早く見抜き、階級制度の壁を越えてミッションスクールに編入学させた。この父がいなければ、花子は村岡花子になり得なかった。
 祖母自身、身につまされて感じていたことだろう。大きな愛情であったことは間違いないが、当時の祖母にとって家はいつでも帰ることのできる温かい場所ではなく、むしろ退路は断たれ、先の見えない道を前に進むしかなかった。孤独感から読書に没頭し、柳原●子(やなぎわらあきこ)(歌人・柳原白蓮(びゃくれん))に対するいちずな友情がほとばしったのである。実家の家計を背負いながらも師や友人に恵まれ、やがて子供や女性たちのために良書を翻訳する道を歩み始める。

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