市場拡大でなく読者の拡大=北一郎の文芸批評論(3)
同人誌の市場化という面では、サブカルチャーとして隆盛する漫画のコミケがその地位の確立をした。文学の同人誌については、市場主義において、縮小傾向にある。しかし、どちらもカルチャーである限り、勝ち負けや成功失敗の基準には適合しない。文化力は歴史であり、継続性だけが問われるのだ。非市場システムのなかで、ろいろな試みがある。ネットでの「Stray Cat 創作文芸支援と同人誌感想 投稿サイト」なども出てきた。過去から、直近の「第18回文学フリマ」の活動が見える。市場の拡大と読者の拡大とは同じ面もあるが、異なる場合もある。原理的には、読者の拡大が大きくなると市場性が生まれるということになる。
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