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2014年5月23日 (金)

「2014年外狩雅巳の世界」の少部数販売へ

 文芸交流会を結成し普及を目指す外狩雅巳氏の「2014年外狩雅巳の世界」が刊行されました。作者は機会があれば、交流会で収録作品「28歳の頃」の批評「28歳の頃の読み方」(北一郎)の批評もしてみたい意向のようです。「詩人回廊」北一郎の庭に一部掲載されています。北一郎は、サブカルチャー批評が社会経済批評の一部として論じられていることに影響を受けています。いわゆるアニメやライトノベルの興隆が、社会現象として把握した結果、納得しやすい形での評論がふきゅうしていることを参考に、外狩作品を経済現象の中の一部として捉え、資本主義社会での作者の置かれた位置に注目して論じています。
 このような視点ですと、書かれた時代を鏡として、読み取ればよいので、作品の出来の良し悪しはあまり問題になりません(よく出来ていた方がよいのではあるが)。なんでも評論の対象にできます。たとえば、同人雑誌に日常生活の病気や老化の嘆きや、ペットのことなど、ささいなエッセイであっても、その作者が何故それを書くことになったかをに注目すれば、論評ができるわけけです(実際にはしませんが)。そこに同人雑誌の繁栄が、平和な時代が長く続き、徴兵制もなく、定年まで勤められるような安定した企業が多く存在し、サラリーマン昭和元禄状況が維持された特殊要因によるーーなどという推論も可能なわけです。江戸時代の浮世絵が、後世の明治には大量にありすぎて、海外輸出品の包み紙として海を渡り、それがフランスの印象派の画家たちの眼にとまった、というようなことが、多種多様な同人雑誌にもあてはまり、人間が長い平和の中で、文化的に何をしてきたかの貴重な資料になるかもしれません。
 このような視点さえ持てば、誰にでもただの感想に終わらない評論ができると思います。「2014年外狩雅巳の世界」《参照:外狩雅巳のひろば》はそうした試みのサンプルでもあります。原則、外狩氏の所有のものですが、文芸同志会にも何冊か寄贈をしてくれました。そこで、発行先の当会では、オープン価格扱いで10冊程度まで500円(送料別)で販売します。参考に読んでみようかという方に申込み受け付けます。

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