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2014年2月 8日 (土)

文芸同人誌「札幌文学」第80号(札幌市)

【「恋鎖」海邦智子】
 主人公の女性の若き時代に、関係のあった男性の恋敵的な女友達がいた。しかし、その女性は主人公の恋人に未練を残しながら、ほかの男と結婚しする。それも二度である。その女性の娘というのが、主人公を頼って、同居する。若いころの男とは別れたもの付き合いはある。するとそのやってきた娘が主人公の昔の彼氏に恋をするーーという、なかなか入り組んだ関係を描く。描くのになかなか大変だが、この辺が面白く上手く艶のある話になっている。これは文学だと思った。
【「孤悲」石塚邦男】
 陰陽師の元祖のような役小角の物語。ずいぶん生真面目な小角像になっていて、読んでびっくり、なるほどこういうイメージもあるのか、と現代人的想像力の発揮の情況がよくわかる。自ら作品中で示した史的資料と反対の人間像の発想をしたのであろう。謹厳実直な日本人像は江戸後期から明治のものであるが、意外な役小角像を書かれる時代の現代性を浮き彫りにしている。
発行所=〒001-0034札幌市北区北三十四条西11丁目4-11-209、札幌文学会
         ☆
 秘密保護法ができて、はたしてどれだけの同人雑誌がチェックををうかるのだろうか、と考えると、ほとんどノーチェックであろうと思う。それは社会的に影響を与える存在ではないと見られているのではないか、という推測による。しかし、そうしたニッチな発表場所が今後重要な役割を果たすこと期待できるのではないか。
紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一

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コメント

「札幌文学」の評文お手数かけました。「孤悲」の役小角のイメージの違いについて述べているところ、面白い観かただなと、考えてなかったので参考になりました。なるほど、そのような観かたもあるのかと。

投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2014年2月10日 (月) 07時47分

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