デジタル化と本の市場=ネット小説の魅力
橙乃氏に、ネット小説の魅力を語ってもらった。 「まずは紙の書籍の1巻分のサイズに縛られずに物語を展開できることですよね。起承転結の『承』が延々続いていったとしても、それが魅力の作品もたくさんある。
『まおゆう魔王勇者』を2ちゃんねるに書いているときは本1冊分の起承転結なんて考えていなくて、書籍化するときちょうどいい区切りをつけるのに苦労しました(笑)。『まおゆう魔王勇者 エピソード2 花の国の女騎士』
(KADOKAWA エンターブレイン)≪橙乃ままれ氏(下)「現在」に対して誠実に≫
ただ『ログ・ホライズン』は最初から『紙の書籍を書く』練習がしたくて書きはじめたんです。だから3幕構成で1冊9章立て、1章3シーン構成の計27シーンで1冊分になるようにきっちり設計している。そういう意味では『ウェブの小説ならでは』の特徴の一部を放棄した作品ではあります」
「たとえば『異世界転生もの』が流行ったら、みんなで少しずつ差分を加えながら、有望な鉱脈を探るんですよ。『異世界転生で学園ものがおもしろそうだね』とかね。
そのくり返しの中でパターンが洗練されていく。だから仮に作家同士の交流が直接的になくても、ライバル心も、連帯感もあるんです」
ミステリがトリックや密室を、SFがタイムパラドックスやファーストコンタクトのバリエーションを蓄積していったような「ジャンル小説」の運動が、ネット小説でも起こっている。
「あとは、何よりネットに作品を発表することの良さって、読者との距離が近くて反応が早いことと、『僕らの作品』と思ってもらえることですよね。いただいた指摘や感想を作品にフィードバックすることは本当によくありますし、『まおゆう魔王勇者』も『ログ・ホライズン』も読者さんが参加できる企画があります。
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