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2014年1月18日 (土)

第150回直木賞・浅田次郎氏の講評 (下)(産経新聞)

 --他の作品について
 「受賞2作に次いだのは伊東潤さん(『王になろうとした男』)でした。ずっと候補になっていますが、以前候補になった作品に比べて、この作品が特別にすぐれたものではないという意見が大勢を占めました。私自身は、この作品でも歴代の直木賞受賞作のレベルには達しているだろうと判断したのですが、いかんせん受賞2作が傑出していましたので、相対的に評価すると、諦めざるを得ないという結果でした」
 「千早茜さん(『あとかた』)は才能のある方で、文章が上手で読みやすい。しかし読み終わった後で、印象が残らないという評価でした」
 「万城目学さん(『とっぴんぱらりの風太郎』)はおそらく初めての週刊誌の連載ということで距離を測りかねたのか、必要以上に長くなるなど、バランスが悪かった。ただ万城目さんにとっては、ご自分の中で大きな作品ではないか。この後何を書かれるのか、注目されるところです」
 「柚木麻子さん(『伊藤くんAtoE』)に関しましては…。理解を超えているというか、世代の違いというか。どれほど世代が離れていても、理解はしなければと思い好意的には読みましたが、小説と言うより世相のルポを書いているような感じで、評価は得られませんでした」(産経2014.1.16付け)

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