外狩雅巳このごろ活動報告と北一郎のコメント
会員の外狩雅巳氏が、精力的に情報発信をしています。北一郎は、彼が文芸同人誌のなかで、悲劇的な立場にあると、書きました。「血を売る」は、小説として大したことがない作品と位置付けました。実際に、やっと散文詩としてぎりぎりセーフの作品だと思います。彼は、これをもっと長くして詳しく書く試みを同人誌に発表したそうですが、それはよほどのインスピレーションの幸運と天才に見舞われない限り徒労に終わるでしょう。とにかく始まりと終わりに変化がなく、中は思い出ばなしですから、小説としての問題提起がない。せいぜい、叙事的な詩情をふくらませるだけと予測します。この構造のままいくらいじくってもよくならないのは法則としてあると考えています。
いずれにしても、このような文芸同志会と外狩氏のコラボは、今後≪外狩雅巳のひろば≫で展開していきます。これから先の論は、外狩氏の裁量でしか読むことができません。形式として、北一郎が評論家となって、作品を評論し、存在を承認して、指し示す。その見解を世に問うという試みです。外狩氏も評論活動ををしたいそうですから、評論家ドンキホーテがふたり誕生しそうです。どんな勝負になるか、路上パフォーマンスになるのか見ものです。
【外狩雅巳の便り】
―「外狩雅巳の世界ガイド2013」は、60ページの小冊子です。百冊発行して四万円という安価で製作しました。すでに二十人以上の方が感想をくれました。
結果は北一郎氏があとがきで予想したとうりの感想文がほとんどでした。私のこれまでの小説観は人並みだったのです。やはり短絡な失敗作だったのか。
北一郎氏はーおそらく、多くの読者は・血を売る・と・私が殺した男と女たち・を面白く読んでその優れたところを評価するであろう。と書いてくれました。
感想のひとつは、エピソードを追加すれば良くなる。さらにもう一人は、本歌どりだ、私が書き直さなければ自分がエピソード入りで書くと手紙で届きました。
ならば、やるしかないとペンを取り三倍に膨らませました。いづれ同人雑誌に発表します。まだまだ私はストーリー重視から抜けられません。
又、同人雑誌の世界を紹介した文章は概ね良い感想が来ました。私の中ではきれいごとしか書かない上辺の紹介と思っていましたので少し驚きました。プロレタリア文学について書いた文章は反応は少なく落胆しました。北一郎氏が私の作品的悲劇と分析した事が難しくて読者の意見が出なかったようです。
私は、現代文学論が少ないので体験的に書いたつもりでしたが伝わりませんでした。過去の作家論は多いのですが現代と現代文学の展望が知りたいのです。
プロレタリア文学は大正期から昭和初期にかけ盛んになり、労働者階級の向上と社会制覇の展望を理論として確立し作品で実践しようとしました。
小林多喜二は理論に忠実に書き上げました。図式小説との評もある程労働者の政権奪取に向けた道筋を作品化しています。官憲に狙われて当然でしょう。
では、現在の格差社会の逆転は可能なのか。これが私のテーマです。下積み労働者の倍返しを政権奪取の文学論待望を書き連ねたのです。
政治と文学の現代版を夢想しています。小冊子なので深まりませんでしたが来年も文芸同志会での発信は続けたいと思っています。
文学フリマ後の年末は新企画を考えます。さらに多くの検索があり、コメントも貰えるように頑張ります。
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