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2013年11月 7日 (木)

文芸同人誌「澪MIO」第2号(横浜市)

 11月4日の文学フリマの店番をしていたら本誌の同人、大城さんが挨拶に来られた。私は会の代表をしているので、これまで話題にしてきた同人誌関係者によく挨拶をされるが、ほとんどそれがどなたであるか覚えていない。それで、「せっかく挨拶をしたのに」と、結構むっとされてしまうことがある。とくに、この作品紹介などは、いつどれを紹介したなどは覚えていない。大城さんのおかげで、「澪MIO」2号引っ張り出して、紹介する気になった。読んではいたので、すぐ書ける。
【評論「川島雄三論Ⅱ」石渡均】
 筆者がプロの映像作家ということで、専門的な記述で映画監督・川島雄三の人柄と作風、評論を連載。私自身は観賞しようと思いながら、見なかった作品の多い監督である。今回は「逃亡―積極的逃避」が印象的で、映画監督は肉体的な年齢に合わせて作品を作るとある。小説も似たところがあるような気がする。逃亡の映像での表現の難しさに触れているのも興味深い。
【「石蕗(つわぶき)」大城定】
 認知症になった父親との関係交流を描く。映像性を意識してか、カットバックのようなイメージを挟んで、清澄性のある文章で、失われた父親の精神を惜しむ心情を描く。本質的に詩人体質のようで、散文詩のようなもの。詩情を大切にしているので、問題提起性はなく、親子の情念のほんの一部という印象であった。
【評論「ポオの美について(ノート)(Ⅱ)」柏山隆基】
 文章と美意識は深い関係があるが、同時に想像力と現実という関係も重要である。ポオの天才的な想像力が体質なのか、生活スタイルから生じたものかを知る手掛かりがある。神経的な体質がすでにあって、特異なイメージ力をもち、アルコールや薬物は従属的な要素のような感じなのがわかる。
紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一

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