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2013年10月11日 (金)

デジタル化と本の市場について=消費者の可処分時間の奪い合い

 柿内芳文氏は、星海社新書編集長。慶應大学卒業後、光文社に入社。光文社新書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などを手がける。2010年、星海社へ移籍。星海社新書『武器としての決断思考』『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』などがある。
 『「若者が本を読まなくなった」の言葉は、本当でしょうか? 僕は大嘘だと思います。事実、僕が光文社新書時代に編集した本は、大学生や20代によく売れていました(新書の平均読者層は50代)。それは「若い人にメッセージを伝えたい」という著者と編集者の強い思いがあり、その層に響く構成・タイトル・文体・コピー・ビジュアル・営業施策などを徹底的に考えたからだと思っています。若者は本を読まないわけではない。単純に、彼らが求める本がないだけだーー』
 『今は消費者の可処分所得ならぬ可処分時間を、コンテンツが奪い合う時代。本は「誰が」「何を」「どういう風に」語るかが命ですが、同様に「誰のために」「何が」「どのように」語られているか、読者はシビアに見極めています。』
 『2年が経った今、断言できるのは「やっぱり若い人は本を読むし、もっと読みたいと思ってもいる」ということ。「武器としての教養」というコンセプトを設定したのも、大学生協をメインの販売場所にしているのも、なるべく若手の新人に書いてもらうのも、若者が集うイベントを定期的に開催するのも、すべては「未来を担う次世代にメッセージを伝える」という目的を実現するため。あくまで本も一つの手段にすぎません。一番大事なのは、やはりなんと言っても、「目的」なのです。』
 (冨田薫氏取材=「新文化」2013年8月1日号より)

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