大河内昭爾さんのことなど
東京新聞8月21日「大波小波」に「食と人を愛した文人」として、大河内昭爾さんが鬼籍に入られたことから、その功績がかたられている。剣道の有段者で「五輪書 (原本現代訳)」があり、武道の専門家には評価が高い。
朝日新聞には、大河内昭爾(おおこうち・しょうじ=文芸評論家・武蔵野大名誉教授)が15日、腎不全で死去、85歳。雑誌「文学界」の同人誌評を担当。「季刊文科」の編集委員、1988年から96年までは武蔵野女子大(現・武蔵野大)学長も務めたーーとある。
多くのファンには、それぞれ思い出と感慨があるのではないだろうか。自分は浅いものしかなく、現在の「全作家協会」がまだ「同人雑誌作家協会」であったころに、当時の大類会長の指名で、1期だけ理事をしていて会合でお会いしていた。当時からジャーナリストであったが、とくにそれは表に出さなかった。その後、同人誌「婦人文芸」の50周年記念の会合に参加したことがあった。たしか大河内氏と白川正芳氏、豊田一郎氏、菊田均氏と同席した。その帰りに共連れになって、お茶でもしますか、という前に、たまたま奥さんの体調が悪く、買い物をたのまれてね、とデパート前で別れた記憶がある。この記憶は、去年自分が、家の者のかわりにスーパーに買い物に出た時に、どっかで誰かがやっていたことのような気がするので、ふっと思いだしたからだ。その後は、お会いすることはなかった。郵便切手が送られてきて、同人雑誌の活動を知らしめてほしいというようなことが書いてあった。あとは、伊藤桂一先生から体調のすぐれないことを伺うだけであった。雑誌「文学界」の同人誌評の担当されていた晩年は、作品評は少なく、出来るだけ多くの同人雑誌を読んで、作者名を誌面に取り上げようという意図が強くでていた。「良いものを書いた」という作者の承認を優先していた。自分も結局はそいうことなのだと納得していたものだ。
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コメント
大河内昭爾さん、なくなりましたか・・。
85歳なんてまだお若いのに・・。
よくも80近くまで<文学界>の同人雑誌評やったものですね。<同人雑誌評>は40代、50代の疲れを知らない世代がやる仕事です。
ですが、仕事の内容は地味で評価が少ないもので、皆やりたがりませんね。
この場の伊藤さんのような方の仕事は貴重です。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年8月22日 (木) 23時25分