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2013年8月 6日 (火)

文芸同人誌「石榴」第14号(広島市)

【「黄昏のなかの風景」木戸博子】
 イタリアのナポリやフレンツェでの旅行記。センチメンタルジャーニーとはこのことかと思うほど感傷的に描かれている。現地での作者の体験が読者の体験につながるように、詩情をもって表現され、エッセイとするには惜しい佳品に思える。詩的散文であり、現地のエピソードを述べる作者の感傷がそのまま読者の心に届く。同じ作者の小説「やがて来るもの」が「文学街」309号に読者賞を受賞第一作として掲載されている。文学的な鑑賞力の優れたところを応用して、高踏的な雰囲気の作品になっている。芸術的品質は「黄昏のなかの風景」の方が高いと思われる。読む人によって、読みどころが異なるかも。そこがこの散文の良さでしょう。また、「やがて来るもの」がストーリー性があって面白く読め、その分、理解する読者増えたなら、それは品質性より優先するものとして優れているのではないでしょうか。
【「君の歌える君のふるさと」高雄祥平】
 中年男の恋愛と恋人の女性の文学的な感性を追求し、二つの要素を織り込んだ新しい織物を産むような挑戦的な試み。普通の手法を敢えて取らずに、果敢に新手に挑む棋士を思わせる。
 発行所=〒739-1742広島市安佐北区亀崎2-16-7、「石榴」編集室。
紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一

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コメント

丁寧に的確に読んでいただき、ありがとうございます。
時代も自分も黄昏ていると感じた中で書いたものですので、感傷的になったかもしれません。

投稿: 木戸博子 | 2013年8月 9日 (金) 11時36分

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