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2013年6月12日 (水)

デジタル化と本の市場について=ニッチ市場から書店へ

 ニッチなネット運営で小説コンテンツを集め、書店市場へ拡大する手法がある。ネット小説の登録・閲覧の「アルファポリス」を運営し、そこでの人気作を書籍化しているのが、(株)アルファポリス。取次口座はない。星雲社を通じて取次へ流通、出版を行っている。サイト「アルファポリス」は月間400万ページビュー(ユニークユーザー数50万)。シリーズ17点で累計100万部の吉野匠『レイン』や50万部の柳内たくみ『ゲート』といった小説は、インターネット上に投稿された作品。
 同社は前期3月度決算の売上げが約10億600万円、経常利益が3億円強、今期の見込みは売上14億円、経常4億円と、右肩上がりの成長と高い利益率を達成。日本の出版業界が年々縮小するなか、同社は拡大・拡張を続けるネットとリンクすることで、紙でヒット作をつくっている。 同社の売上げの95%はネット上のコンテンツを書籍化した“紙”から。電子書籍のアプリや広告など、ネットからの売上げは5%という。
 同社の書籍の購入者のうち、実はネットからの読者の割合は5~20%。つまり、8割以上が書店店頭で初めて作品を知って購入している。ネットで人気になる作品は、そもそもひとを惹きつける“匂い”をもっており、ゆえに紙で出すとそれまで存在を知らなかった人たちも興味をもつのだそうだ。
 吉野匠さんは、出版社主催の小説新人賞に投稿していたが、芳しくなかった。けれど『レイン』をネット上で公開すると人気作に。
 既成の出版社による新人発掘システムではすくいきれない才能でも、面白ければネットの世界では読者がつく。 【新文化」2013年2月21日号(飯田一史・ライター)】

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