関東同人雑誌交流会の最新動向 外狩雅巳
関東同人雑誌交流会が5月26日、東京・大田区の下丸子センターで行われた。文芸同人誌の応援を行っている雑誌「文芸思潮」の五十嵐勉編集長が呼びかけ三年前から定期会合を行っている。
内容は作品合評である。文芸思潮誌に寄せられる関東の同人雑誌から東谷氏が選んだ作品を合評し優秀作品を投票で決めてきた。今回は関東各地の同人誌より十二名の参加で行われた。
同人雑誌の会員は作品掲載が目的で会費と掲載費を負担している。年に一、 二回発行するところが多い。おおよそ百ページ前後が多く、なかには三百ページもの雑誌もある。
私は「相模文芸クラブ」と「群系の会」に所属している。前者は毎月合評会を行っている。大半の会員はそれで満足している。他の会の会員もそのようである。大がかりな同人誌交流にはあまり参加しない。
作品を書き掲載され仲間内の合評会で評されれば良し、としている。趣味の会として閉鎖的に運営されている文芸同人会の地域横断の結集は難しい面がある。しかし自分の作品が読まれ評される事には大いに関心を持つ人は多い。数十誌もの同人誌が送られて来る。個人での文学賞応募者も多い。
毎年高齢の退職者があり同人誌に集まる人も増えている。関東交流会はまだまだ知名度も少なく参加者も少ない。が、今後の呼びかけ次第では同人誌会員の参加は増えるかも知れない。
毎年「文学街」の呼びかける読者集会は全国から百人近くも集まり盛大におこなわれる。また、同人誌フリーマーケットも人気がある。
千人以上の文学賞応募者、図書館に来る多数の読書愛好家、そして同人誌に掲載される多数の作者。これらの人々を引きつける開かれた作品鑑賞と合評の場が出来上がる事を望んでいる。傾向の類似した同人仲間を超えて討論し価値観を再構築する時ではないだろうか。
毎月の相模文芸合評会には二十名近くも参加する。各地の数百の同人会も盛況だろう。関東交流会選出の作品が全国で注目される日が待ち遠しい。
≪参考:作家・外狩雅巳のひろば≫
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コメント
外狩さんのこの論調、やや平板でもう少し鋭い分析眼見せていただきたいとやや不満でしたが・・期待値は理解できます。
同人雑誌は互いに読み込む姿勢がないと、ただ集まって「仲良し教室」になるなら、先は知れてます。
例えば、外狩さんがご自分の同人誌で「同人雑誌評」をやる熱意を示さなければ、書き手は信用しないと思いますよ。ただ集まって評し合うだけならお祭り騒ぎに終わり安易でしょう。
何十人も居る場で一人一人が意見を言うことは出来ません。マスコミや双方向の掲示板などで討論を戦わせるのでなければ、評者の真意は正確に伝わりません。
大勢の場で当選作を決めるなど、akbの人気投票じゃあるまいし、それは単なるアミューズメントの見世物ショーに過ぎないもので、作者を馬鹿にした見世物でしかないと、わたしは思います。
でも人それぞれですから、これだけが正しいとは思いませんが・・。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年6月 5日 (水) 12時52分