文芸時評5月(東京新聞5月30日)沼野充義氏
様々な声 響き交わす/「沈むフランシス」「魚の娘」「滅びの後の音楽」「少し不思議。」3・11後のビジョン提示。
≪対象作品≫松家仁之「沈むフランシス」(新潮)/楠見朋彦「滅びの後の音楽 MUSIC AFTER DISASTER」(すばる)/谷崎由衣「さかなの娘」(文学界)/天久聖一「少し不思議。」(文学界・連載完結)。
一部引用=「今月取り上げた作品は、現代人が共有する時代精神というキャンパスを彩る様々な意匠のようなものに見えてくる。それぞれ個性的でまったく違った作風であるが、3・11以降の世界にあって、単一の大きな物語に回収されない様々な声たちが響き交わす場を作り、対抗のビジョンを提示する試みとして共通しているからだ。」
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