文芸時評5月(毎日新聞5月28日)田中和生氏
文学の自殺/言葉の世界で生きる死者
≪対象作品≫池澤夏樹・長編「双頭の船」(新潮社)/高橋源一郎・対談「死者たちと小説の運命」(新潮)/同・長編「恋する原発」(講談社)/いとうせいこう・長編「想像ラジオ」(河出書房新社)/阿川弘之作品集「鮨 そのほか」(新潮社)/吉田修一・長編「愛に乱暴」(新潮社)/佐伯一麦連作短編集「光の闇」(扶桑社)/松波太郎・中編「サント・ニーニョ」(すばる)/絲山 秋子短編集「忘れられたワルツ」(新潮社)。
大震災・原発事故などを語る視線の単調さについて、田中氏は書く。
一部引用=「しかしそのあらかじめ批判する自由のない作品のあり方は文学としての自殺ではないか。
戦後文学もまた戦前の日本を否定し「戦争の犠牲者の側に立つ」正しいふるまいのなかでかきはじめられたが……」
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