無通貨国幻論―に読む豊田一郎氏のロマン世界
詩人回廊・豊田一郎の庭「無通貨国幻論」には、資本主義社会における拝金主義への痛烈な否定、拒否的な思想が説かれている。
通貨・貨幣の存在が、現在のアベノミクス現象にみるように、札を印刷してばらまくだけで、社会的な豊かさ実現するという錯覚を起こさせるのである。このままいくと、国民全員が銀行と証券会社に勤めて、増刷したお札という紙のやりとりをしたほうが、効率よく国の経済が豊かになる、ということになる。
しかし、それは錯覚である。世界の人々は、それが錯覚であることを明言しない。壮大な日本の実験だという。
豊田一郎氏は「黒潮に浮かぶ伝説の島」(のべる出版企画)、「遥かなる日の女神たち」(のべる出版企画)など多くの著書で、原始共同体における人間世界を舞台にした小説を発表している。そこには、資本主義社会批判と人間中心的な空想的なロマン社会への憧憬がある。
| 固定リンク
コメント
そうですか?豊田一郎さんの近作、良いですか?マネーゲームの新資本主義に毒された日本。
日本の良俗犯されて悲惨ですね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年5月 9日 (木) 21時32分