文芸時評4月(東京新聞4月30日)沼野充義氏
本谷有希子「自分を好きになる方法」女の一生を鮮やかに/山下澄人「砂漠ダンス」頭の体操をした気分に
≪対象作品≫村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文芸春秋)/第七回大江健三郎賞受賞・本谷有希子「自分を好きになる方法」(群像)/第四回同受賞作・中村史則「掏摸」/岸本佐和子訳、アリ・スミス「子供」(すばる)/同、ジュディ・バドニッツ「ナディア」(文学界)/「新潮」創刊1300号記念「創作特集」・テーマ特集「小説家の『幸福』/山下澄人「砂漠ダンス」(「文藝」夏号)/今村友紀「ジャックを殺せ」(同)/同その他、舞城王太郎特集・・佐々木中/旦敬介「旅立つ理由」(岩波書店)。
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村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文芸春秋)について、「実際に蓋を開けてみれば、世間の大騒ぎとは裏腹に、意外に静かな作品だった。東京に住む三十六歳の独身男性が、二十歳の頃に深刻な心の傷をもたらした不可解な出来事の真相を探るために、恋人に励まされて「巡礼」の旅に出るとともに、新たな愛を獲得して生きて行こうとする。「普通にいい」小説ではないか。村上春樹の人気ぶりは、そのような小説が膨大な読者(購買者)ターゲットとした商品になりうることを改めて思い出させてくれた」とする。
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コメント
何故、昭和に生きた作家の作品というのが、それは同人作家、プロの作家の作品ですが、今の人の作品に比べて面白いのでしょうかね?
柴田錬三郎、安岡章太郎、山田風太郎、僕らはどこかに小説のおもしろさを置き忘れてきたのでしょうかね?
投稿: 西田英樹 | 2013年7月20日 (土) 01時03分
全国の文学同人がこれほどまでにいたとは、心強いかぎりです。現在、あるショックから立ち直れず、ほそぼそとブログをやってます。そのうち時代小説を書きます。よろしく。
投稿: 西田英樹 | 2013年7月16日 (火) 06時14分
西田英樹です。初めて見ました
投稿: 西田英樹 | 2013年5月31日 (金) 01時45分