同人誌「小説と詩と評論」332号(東京)
【「桜桃」石川友也】
父親の兄夫婦が亡くなって、その娘の菊江が引き取られてきた。和也より4歳上の小学6年生の従姉である。思春期に入る前の姉弟の楽しい交流が描かれる。そして、菊枝は自分の境遇に押しつぶされそうになり、体調を崩すが、少しばかり臥せっただけで、健気にも、その寂しさから立ち直るまでを和也の視点で描く。素直な筆致で詩情を漂わせて味わいが良い。
【「記憶」大川龍次】
産みの母親を離縁し、後妻を娶った父親。やがて、私は他人の会社経営者のところに養子の出される。その後の生活の苦労を語る生活記録だが、私小説なのかフィクションなのか人生の一面を大雑把に描く。
発行所=123-0864東京都足立区鹿浜3‐4‐22、(株)のべる企画
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