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2013年2月 3日 (日)

詩の紹介 「家出したくなる時」 白糸雅樹

家出したくなる時  白糸雅樹

欠けた皿や茶碗を/もったいないから、とそのままつかう/いっそまっぶたつに割れてしまえば/いや、こなみじんになってしまえば諦めもつくだが/普段使いには支障ないから、と、貧乏性
荒れた生活そのままの/その象徴のような欠けた皿/もう見たくない/と/台所をあとにして/もう、二度と帰りたくない
皿を洗う/皿を洗う/欠けた箇所で怪我をしないように注意しながら/皿を洗う
季刊「コールサック」75号 2012年12月(東京・コールサック社)

紹介者・江素瑛(詩人回廊
「皿を洗う/皿を洗う」の繰り返し、生活そのもの単調さと慢性疲労感。家庭主婦や家庭主夫が、家を出たくなる時。そのようなモノトーンの生活に限界を覚える時かもしれない。
我慢すればーーといいきかせ、流れ作業のような生活が続く。脱出したい願望があっても、家出しても、また戻ってくる。
欠けた皿や茶碗に盛り上る料理の味は変らないし、完べきではない諸人はこの世を作り、つまらなさもまた生活の一部である。ロマンチックでない時間、奪われたような自分の時間、そのときにも詩が生まれるのですね。


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コメント

詩を書く人も読む人も多いのですが、「日本語の詩」を理解している人は少ないのは残念なことで寂しいことです。

投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年4月11日 (木) 18時14分

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