外狩雅巳氏の「我が創作とプロレタリア文学論考」の補足
外狩雅巳氏が「詩人回廊」に「我が創作とプロレタリア文学論考」を執筆しています。プロレタリア文学の系譜にはさまざまな歴史的な出来歩とが意味をもって語られます。そこで、編集人・伊藤昭一の方から、すこし補足させてもらいます。
冒頭にある引用句は、マルクスは、 「世界史上の有名人物は二度現れるとヘーゲルは書いた。だが、ヘーゲルは次の言葉を付け加える事を忘れていた。一度目は悲劇として、二度目は茶番劇としてと」
と記しているのが元のようです。フランスが第二共和政でルイ・ナポレオンが選挙で大統領に当選するが、彼はクーデターを起こして議会を解散させ、その上で皇帝(独裁者)と自称して第二帝政を始めるが、17年で幕を閉じてしまったことを皮肉で言ったとされています。
また、『蟹工船』の小林多喜二と並び称される作家が葉山嘉樹です。断片的で構想に作品が追いつかなかったのですが、その創作思考は戦後に野間宏に受けつがれて行きました。外狩氏が現代社会の心の貧困をどう描いてきたかの解説に期待します。
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コメント
外狩さんの仕事注目すべきですね。
昭和期の言論弾圧時代の作家の身の処し方、興味深いですね。
反抗と恭順、裏表の処し方など文筆家の時代を泳ぐ処世術、面白いです。今も昔も人間の生き方、姿勢ですね。
一首献上。
レジスタンスというほどのなき青春の時思ひし
ことのありたる
石塚邦男
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年2月 8日 (金) 06時17分