「文芸同人誌の交流の現状と傾向ついて」外狩雅巳氏の報告
文芸同人誌の交流活動が活発になっているなかで外狩雅巳氏が、その現状を報告してくれました。そこで、同人誌交流実践の経験からみた情報として掲載します。(文芸同志会は文芸情報を社会情勢の反映としてとらえていますが、そのなかに文芸同人誌作品にも、そこに表れた社会動向として情報化しています)。
=外狩雅巳氏から見た「文芸同人誌連携の現状」概要=
電波媒体の同人誌文学紹介は長らくネット時代を先取りした「文芸同志会通信」の独り舞台でした。それでも十年ほど前から各同人誌はホームページでの発信をはじめだして来て、現在は多くの同人会がネットを利用しています。
高齢化社会で自分史等の発信要求から同人誌界も少しずつ活発化し注目も浴び出している現象です。全国に千近くと言われています。
商業出版・職業作家より同人誌文学に期待する雑誌「文芸思潮」は優秀作品顕彰を行いながら同人誌支援で発足し発展して来ました。
同誌の五十嵐編集長の発起で「関東同人誌交流会」が四年前から合評と選出を軸に大田区の会館で交流集会を続けています。そのネット版の交流会掲示板が常連の「群系」主宰・永野悟氏によって作成され作品評とコメントで賑わっています。
また、老舗の全国規模の同人誌「文学街」も会員は五百人を超え、全国交流会を四国の三好市で「富士正晴賞集会」を続けています。
「全国同人誌振興会」も発足しました。初代会長は森啓夫氏で現在は空席です。五十嵐氏が代行しています。
「中部ペンクラブ」等や九州にも北海道にも地域連携体は多数ありますが全国規模での連携が二人の手で試みられています。
目的や手法などで必ずしも一致せず試行錯誤の現状ですが、呼びかけに応えて注目し結集する同人誌も増えています。
同人誌は会費制で詩誌発行も個人負担です。内部運営に精力が割かれ交流から連携までは手が回らぬ会も多くある現状です。
信頼性と普遍性のある老舗純文学商業誌「文学界」同人誌評が廃止されても「関東交流会」での作品評や「文学街」の作品評が支えている現状です。
商業文芸誌の実売は数千部です。同人誌の会員は数万人でしょう。ここで作品が精読され支持され、本物の文学が誕生すると信じる人たちが献身的に行動しています。資力もなく、高齢化する同人誌ですが連携して盛り上がりを模索中です。≪参照:作家。外狩雅巳のひろば≫
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