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2012年11月26日 (月)

詩の紹介 「そしてあなたは窓を開ける」ルース・ポソ・ガルサ(訳・桑原真夫)

「そしてあなたは窓を開ける」 ルース・ポソ・ガルさ(訳者・桑原真夫)

そしてあなたはサ―ル川*畔の窓を開ける/そして暗く寄る辺ない世界をそこに見る
忘却のページを捲りながら/あなたが愛しそしてこの上なく悲しい場所を手繰ってゆく/サン・ロレンソ サンテイアゴ 栄光の門・・・/暗闇に伝わってゆく言葉で
そして無慈悲な人々に対するあの恐怖・・・
その形のないもので表されるメッセージと/孤独の中で織る布は/存在のないもの/ベールで覆われた光が濃くなってゆく/水銀のない鏡のよう
そしてあなたはサ―ル川畔の窓を開ける/そこは 孤独の世界

*パドロンの西を流れウーヤ川に合流してアウロサ入江に注ぐ。ロサリア・デ・カストロの最高傑作の一つに詩集『サール川の畔にて』がある。
(ルース・ポソ・ガルサ詩集「ロサリアの秘密の生涯」より、編訳者・桑原真夫)「東京都土曜美術社出版販売」

紹介者・江素瑛(詩人回廊
2012年7月に満90歳になったスペインの画家、音楽家でもあり現役女流詩人のルース・ポソ・ガルサは、亡き再婚相手を思い恋いし続け、一番影響を受けた十九世紀女流詩人ロサリアに語り掛けた作品であるという。その詩人の愛したサール川は頻繁的作品のなかに取り入れている。
「そしてあなたはサ―ル川畔の窓を開ける/そこは 孤独の世界」
その孤独な世界に人と国の喜、怒、悲、歓が流れている。

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