話し言葉と書き言葉について松平定知氏の「言葉の力」講演から
元NHKキャスターの松平定知氏の講演を聴いた。≪参照:暮らしのノートPJ・ITO文芸≫興味深かったのは、きっちり文法的にあった完結な話し方より、あー、うー、といったように、あいだに無駄なものを入れる「冗長さ」を持った方が、相手によく伝わることがあると、学者がいっていたそうである。
わたしはたまたま「グーループ桂」の同人誌に「文芸の友と生活」の連載第3回を書いていて、小説とエッセイの中間形式で書いている。その時に、書き進みながら自然に冗長文体に変化するように工夫をしていた。文章では「あー」や「うー」はないので、同じ効果をどこで出すかが考えどころである。
ストーリー中心であれば、ハードボイルド調でスピード感を簡潔に出せばよい。ミステリー小説にはそれが多い。西村京太郎などの作品は、ストーリーのためにだけの文章のすごい見本である。電車のなかで読むものでは、これしかないという究極なものを感じる。
同人誌に書く魅力は、自分の感性と工夫の孤独な楽しみである。
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