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2012年9月13日 (木)

著者メッセージ: 堀川アサコさん 『日記堂ファンタジー』

 どうにもこうにも毎日が煮詰まって、なぜなのかアスファルトの道路を歩くのがイヤだったことがあります。外出のときはなるべく公園や遊歩道を通り、土の道をさがして歩いていました。ハダシにまでならなくても、土の上を行くと不思議と心が消毒される気がしたものでした。
 何年かして、舗装道路とわたしはそれなりに和解したわけですが(笑)。
 今でも「雑木林」や「木に咲く花」など、ただ思い描くだけでも心地よく感じます。加えて、「オート三輪、中国茶、夏の始まり終わり……」と思いつくかぎり好きなものをふんだんに盛り込んで書いたのが、『日記堂ファンタジー』という小説です。日記堂というお店は、空想の雑木林に確固として建っていて、わたし自身が最初のお客でした。
 そんな自然たっぷりの理想郷で、日記堂店主にして怪淑女・猩子(しょうこ)さんの、ちょっとばかり乱暴な采配ぶりを、森林浴気分で楽しんでくださいませ。 (堀川アサコ)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2012年9月1日号より)

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