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2012年9月30日 (日)

文芸時評(東京新聞9月27日)沼野充義氏

小説らしさ超えた価値/黒田夏子「abさんご」実験性高い詩的文章群
≪対象作品≫早稲田文学第5号「翻訳という未来」/第24回早稲田文学新人賞・黒田夏子「ab さんご」(早稲田文学)/福永信「三姉妹」(「群像」7~10月)/木村友祐「天空の絵描きたち」(文学界)/野田秀樹「エッグ」(新潮)。
黒田夏子氏に関する一部抜粋=篠山紀信による作者の写真を大々的に掲載した「早稲田文学」の編集方針は、年齢を逆手にとっての話題づくりを狙っている湯にように見える。若くて美形の新人作家を売りだして話題を作りたがる大手出版社の商業主義に対抗する戦略であろう。作者とテクストを切り離すべきだという二十世紀の文学理論の一時主流となったが、読者はそんな理論におかまいなしに作者像を知りたがるものだ。


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