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2012年8月25日 (土)

作家・伊藤桂一氏「95歳の転居風景」を東京新聞に書く

8月23日で95歳になった作家・詩人の伊藤桂一氏が東京・練馬の自宅をたたんで、神戸のケア付きマンションに転居することになった。そのきさつを東京新聞の8月24日付け夕刊に「95歳の転居風景」というエッセイを書いている。東京新聞には親しくしている記者がいるので、寄稿されたのであろう。
 以前から、練馬の自宅の老朽化にともない、夫人の実家に近い関西に転居する手はずを整えていることはきいていた。問題は膨大な蔵書でこれを保管するのに苦労があったようだ。それが知り合いの教材会社が保管を引き受けてくれるということで、生活の拠点を神戸のケア付きマンション(老人ホーム)に移すことになった。それ以前から購入はしてあったのだが、東京の仕事が多く購入したままになって、いつ来るのかとホームから問い合わせがあったという話が出たほど先延ばしにしていた。
 同人誌「グループ桂」の先の合評会では、これまで東京で実施してきたが、今年の秋号は先生の直接指導はなくなるだろうと話していたものだ。≪参照:グループ桂のひろば≫。エッセイによると、新居に移ったら「前向きに生きて百歳まで」という表題のエッセイ集の執筆をはじめるそうだ。
 5月には農民文学の同人たちと話し合ったが、95歳で元気な伊藤桂一先生を見ると、まだまだ隠居はできないという気持ちになるという。
 なにしろたしか90歳のころだったか、自転車に乗っていて転んでしまい肋骨を2本ばかり折ったことがあった。その時には病院に行かず、そのまま自然に治るのを待って、治してしまった。これは、戦争が終わって、健康のために野口晴哉(故人)師に整体指導をうけた影響だという。ちくま文庫に野口晴哉「整体入門」という本があって、伊藤桂一氏は85歳のときにその解説を書いている。
 それとは関係ないが、私は家内が骨盤骨折を起こし、バリアフリー改造マンションに一足先に転居。わたしの人生は風来坊的なので、蔵書はほとんど捨てた。ただ、亡くなった友人の書きものを入れた段ボール箱を引き取ったものは、点検していないので、持ってきた。いま箱を開けているが、私が彼と親しくなる前にはいろいろな才気あふれるものを書いているのが、古い同人誌を読んでわかった。自伝的な書き物の一部は「グループ桂」に引用として掲載しているが、創作的な完成度の高いものもあり、どうするか考ええている。
 家内が車椅子から解放されたが、買い物はつきあって持って歩くことが続いた。知らない町で、有名スーパーのほかに、「マイバスケット」とか「ぱぱす」とか、オルタナティブな小売りチェーンが繁盛しているのには驚いた。

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