同人誌「仙台文学」80年記念号(仙台市)
本誌発行元の「仙台文学の会」(〒981-3102仙台市泉区向陽台4-3-2、牛島方)では、宮城県芸術祭参加「文学散歩」を9月25日~26日にかけて行うという。1泊で、栃木・茨城地方へでかける。「奥の細道」をたどる意図と、福島の中山義秀記念館や白河の関、南湖公園に寄る予定だという。一般参加歓迎とのこと。10月27日には文芸祭があり、「言葉のクロッキー」に同人の佐々木邦子氏が出場するとある。
作品は地元の歴史を題材にした小説が多く、調べた資料をもとに、各同人が作家的な手腕を発揮している。東京にも各地域に郷土史研究家が存在するが、資料をもとに評論にしたらり、あとは童話的な郷土昔話風のものが多い。本誌は、本格長編連載小説にしているものが多くあるのがひとつの特性である。
【「『削り』の文章術」石川繁】
珠玉の短編といわれる井伏鱒二の「山椒魚」の推敲ぶりを具体的に示し接続詞の使い方までを、工夫している研鑽ぶりを語る。っこで面白いのは、和辻哲郎の全集への推敲した散文の比較で、よくみつけたものだと、感心させられた。ここでは削ることが推敲のポイントになってるが、若いときに書いたものは、削るとたしかに引き締まるが、当時の気分が消えると話があるのは、同感である。
【「米岡西野館」近江静雄】
70歳を過ぎて、前立腺肥大かがんに向かうのか、など年齢相応の事情を語りに射れ、登米伊達氏の祖白石宗直の歴史を調べるドライブ旅行を語る。現在進行形をもって歴史の知識が身につく。手法のひとつであるが、わかりやすく読ませる工夫がある。
【「詩序論~今を生きるゲーテの詩と言葉~ゲーテ的存在の意義」酒谷博之】
古典的ロマン主義の代表としてゲーテの詩を対象に試論がはじまるらしい。ゲーテいわく「ポエジーの実質は自らの生命の実質である」とあるらしい。なるほど…。今後の展開が楽しみである。
(紹介者「詩人回廊」編集人・伊藤昭一)
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コメント
詩や小説・エッセイなどを投稿、活字化してみたいです。よろしくお願いいたします。
投稿: 齋藤吉勝 | 2014年6月17日 (火) 02時53分
はじめまして。大崎市古川のさいとうよしまさと申します。この度、同人誌に参加したく、mailをうちました。
「詩」や「小説」「エッセイ」が何本かあります。
ぜひ、参加要項をお知らせください。
投稿: 齋藤吉勝 | 2014年6月17日 (火) 02時50分