« 伊藤桂一氏と穂高さんの小説・エッセイ教室の話 | トップページ | 西日本文学展望「西日本新聞」2012年06月29日(朝刊)長野秀樹氏 »

2012年7月 2日 (月)

詩の紹介 「青い空は見えない」竹久 祐


「青い空は見えない」  竹久 祐

冬晴れの空/薄く霞む空の色/山の緑も街もくすんで見える
こんなに霞んだ空も/こんなにくすんだ景色も/ただ冬のせいではない気がする/高台から見える稜線を撫で/白く連なる雲
ふと 人恋しくなった
電話番号を知っているのに/話そうと思えば いつでも声を聞けるのに/元日の0時キッカリにしか電話はかけない/決まりごとみたいに
けれど・・・電話越しのあの声を/忘れることはない
ただ風に吹かれて見上げる空/寂しいほどの静けさと疲れ
規則正しく並んだ雲の配列が/きみからのメールに似ている
ふと そう感じた
会えたらいいね/叶うあてのない約束を思いながら/我を忘れ 再び空を見上げた    
松本詩集(第13号より)平成24年3月20日(長野県松本市松本詩人会)

紹介者・江素瑛(詩人回廊
 冬の空の下に、なにか満たされない心がある。メールの友への思いに心が向かう。声を聞きたければ、電話すればいいのに、会いたければ、会いに行けばいいのに、踏み出す勇気のなさか、得体の知らない心理か、霞んだ時間は限られたいのちから過ぎ去っていく、遣り切れない淡い悲しさが感じられます。

|

« 伊藤桂一氏と穂高さんの小説・エッセイ教室の話 | トップページ | 西日本文学展望「西日本新聞」2012年06月29日(朝刊)長野秀樹氏 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 伊藤桂一氏と穂高さんの小説・エッセイ教室の話 | トップページ | 西日本文学展望「西日本新聞」2012年06月29日(朝刊)長野秀樹氏 »