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2012年7月 1日 (日)

伊藤桂一氏と穂高さんの小説・エッセイ教室の話

 同人誌「グループ桂」第66号の合評会が行われ、伊藤桂一氏の門下生仲間である穂高さんと久しぶりで、顔を合わせた。合評会のあとで、伊藤桂一師を囲んで、神田川のほとりのテラスで歓談をする。伊藤桂一師は95歳になるが、去年よりずっと体調がよさそうで、テラス喫茶でもサンドイッチを食する。量があるので残りはみんなで食べてしまった。家に帰って夫人に「今日はテラスでお茶をして面白かった」と語っていたという。
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 穂高さんのエッセイ教室は60回を数えるので、サイトにもそのノウハウが出ている。
穂高健一エッセイ教室
 読むとなるほど、勉強になる。いまさら勉強になってどうする?という歳だが、伊藤先生は、純文学はいつまでも勉強だというので、まあそれもゆるされるのかな、といったところだ。穂高さんにいわせると、小説は教えるのもむずかしく、エッセイのほうが楽だという。たしかに、小説は売れるかうれないかが問題とされる世界で、しかも売れたからといって良い作品だとは決められない。
 たまに同人誌の作品で、出版社に持ち込んだ方がいいのではないか、と思わせる秀作や時代性に合う作品に出合うが、持ち込みなさいとは言えない。
 今回の「グループ桂」第66号、宇田本次郎氏の作品「海辺の駅で」は、良い作品だと伊藤桂一師もほめていた。自分も同感である。しかし、それは今の時代の商業性にあわないかもしれない。このところ私自身も創作をもくろんでいるが、どう書けば出版社が相手にしてくれるか悩んでいる。こういうことをいうと周りから笑われるし、現に笑われている。穂高さんの小説教室に通ってみるかだ。
 年初から、伊藤桂一師が神戸に転居するという話が出ていて「それは、いつ頃になるのですか」ときいたら「わからない」という。こちらは、耳が遠くてわたしの言っている言葉が聴こえないのかと思い大きな声で「いつ引っ越すのですかと訊いているんです」というと、「だから、それがわからないのだよ」という返事であった。
 都内の現在の自宅には相当の蔵書があり、その置き場は神戸の出版関係者が確保してあるようだ。
 なお「グループ桂」第66号の情報は「グループ桂のひろば」で、サビの部分を順次公開していくつもち。本誌が読みたい方は文芸同志会で800円で頒布しています。前号の65号もありますが、一部文字が割れています。読むのには支障がありません。

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