電子書籍の動向と新風書房など中小出版の対応
7月9日の「テレビ東京」ワールドサテライトで、中小出版社の電子書籍への進出事例として、新風書房の福山琢磨社長の取り組み事例を紹介している。iPad向けの電子書籍に『孫たちへの証言』の『原爆編』を英文はアマゾンで、和文はAPPストア他で配信し、大きな反響を得たという。福山社長は「紙・印刷・製本・流通・回収が不要の出版はまさに革命。著書の存在を知らしめるために苦慮してきた我々には、不特定多数のネット購入層は得がたいターゲットです。長所を活用し積極的に取り組んでいきます。電子ブックを安価で提供できるシステムを構築中」よ語る。
新風書房では、現在は社屋の新設中だが(中小出版社なのにすごいね)、社屋に自費出版ライブラリーで、自費出版物の収集、展示を行っている。集まったなかで優れた自費出版物を全国会員に回し読みし感想を集める「本の渡り鳥」の制度を運営し、東京に来た時にお会いした。私の文学フリマ用の冊子を渡したら、きちんと読んで感想文をくれtのには、その誠実さに感銘を受けた。
ここへきて、楽天リーダー「KOBO」というブックリーダーが販売された。7980円と安く、3万点を数年で150万点にするという。これは池袋ジュンク堂の蔵書と同じ蔵書数まで拡大するもの。ソニーの場合は5万点だが、さらに日本語コンテンツ、アマゾン・キンドルを近日中にする。《参照:暮らしのノートPJ・ITO》
有斐閣では、年額12000円で絶版文献約750点が電子書籍で読み放題というシステムを運営しはじめた。これまで、眠っていた創業150年の過去の名著が読まれ収益を産むことになれば、事業の幅がひろがることになる。
電子書籍の実績は、コミックのほうがある。講談社では、コミックに力、20年前のコミックの電子版がもっとも売れている。ユーザ―が年齢を入れるとその当時の漫画を紹介するシステムをつくり、他に比べて3倍になった。
ベンチャー企業で株式上場しているイーブックは5万点を扱い業績を上げている。
電子書籍は、コミックはスキャンしたPDFでも良いが、文字はスキャンでは読むのにスクロールしないと読めない。読みやすくするためには、文字のデジタル化が必要になる。すると100文字に1字誤植が出る。
それを直すのが人件費がかかる。1冊のデジタル化には複数の担当者が必要で、コストがかかる。青空文庫は、その校正をボランティアで行っている。そこで4月にこのコストを産業改革機構の出資する出版デジタル機構が出版社の電子化代行支援ををすることにしたのである。
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