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2012年5月 1日 (火)

季刊「農民文学」第297号に農民文学賞受賞作「赤いトマト」掲載

124029_029第58回日本農民文学会総会が4月29日に開催され、その後、第第55回農民文学賞受賞の「赤いトマト」宇梶紀夫さんへの贈呈式を開催。その後、懇親会が行われた。《参照:「第55回農民文学賞」詳細記事
 昨年は、姿を見せなかった同人誌「淡路島文学」の北原文夫氏とも会う。同誌は10ヶ月ごとの発行の決まりがあるという。1年に1回であろう、半年ごとでは、事務的に大変なので、そうなったという。昨年は3・11の災害で書くことに専念していたという。
 農民文学会のHPを引き受けている杉山武子さんは、評論で農民文学賞を受賞した作品をベースにした評論集「土着と反逆―吉野せいの文学について」(出版企画あさんてさーな)を上梓。これから小説を書くという。なんでも、地元のもの書き仲間に、65歳の人がいてこれから小説を書くと思って、世界文学全集を読み始めたのを見て、刺激を受けたともいう。
 森厚さんとも久しぶりに会う。南雲道夫さんが亡くなってしまったので、寂しいところもある。
 今年の受賞者の宇梶さんは、農業関係の仕事の専門家だけに、トマトの栽培についてもじつに詳しく調べていている。この作品には、数々の小説的技法が展開されており、事実のフィクション化のノウハウが詰め込まれている。この手腕をもっていて宇梶さんは、小説教室にも通っていたそうで、驚きだ。しっかり学んで実践に反映させている。教えたほうが良いのではないかと思わせる。
 この作品は短編であるが、書き方は長編小説的なのである。この特徴をもってよく短編にまとめている。それは、シナリオでいう起承転結の箱書き的な手法を応用していることによって、成功させているのである。
 まず、主人公が勤める医院で結婚相手と出会うまでが、第一段階。この部分でのエピソードを語ることで、登場人物のイメージを固めている。しかし、このままで進行させると長くなりすぎる。で、主人公と奥さんのイメージとストーリー展開に必要な事柄を示すと次の展開に移る。
 それが、夫婦でサラリーマン生活に見切りをつけ、父親のトマト栽培のノウハウを身につけるところ。ぼくという一人称の便利さを活用して、農業の細部にわたる話を退屈な知識の薀蓄話から逃れさせている。これが第二段階。
 こうした手法で転結まで上手くもっていく。そのため、感動的であるが、長編小説をダイジェストで読んだような感動感がある。続きはまた。

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