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2012年4月28日 (土)

著者メッセージ  堀川アサコさん『幻想電氣館』

 今では昔のこととなってしまいましたが。ある夕方、小さな映画館を訪れた ところ。
 映画館の人「さんちゃんが帰ってしまったので、本日の上映はもう終わりです」
 わたし「あのー。上映時間に間に合うよう、急いで来たんですけどー」
 映画館の人「ともかく、さんちゃんが居ないと、上映できないんです」 さんちゃんて、誰……。
 今回、映画館を舞台にした『幻想電氣館』を書くため、あれこれ資料をめくるうち、何十年来ナゾの人だった「さんちゃん」は、映写技師だったのだろうと察しがつきました。
 近頃では、映画は映写技師なしでも上映できるそうですね。でも「映写技師も帰っちゃったし。さあさあ、店じまい」なんて大雑把な映画館があったのも、なかなか面白い時代だったと思います。
 『幻想電氣館』は、そんなのんびりさに、この世ならぬ大騒ぎが加わったファンタジーです。幽霊が見えたりする主人公と一緒に、和んだり怖がったり、楽しんでくださればと思います。 (堀川アサコ)(講談社『BOOK倶楽部メール』 2012年4月15日号)

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