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2012年3月25日 (日)

同人誌「アピ」2号(茨城県笠間市)

【「末期がん」篠垤(しのづか)潔】
 がんの余命と医師の宣告について、医師が病状観測を患者に告げなかったので、患者が死期を知らずに過ごしたことについての裁判があったことの話から始まる。
 筆者は、1944年に広島で生まれ、広島原爆零歳被爆者で、現在、広島原爆特別養護ホームに入園している。その境遇からのレポートである。
 それによると、筆者は、
「1996年(平成8年)に肺がんの告知を受け、治療法を求め5つの病院で診察を受けた。重度の心臓機能障害があり、初期がんだが、外科治療法をはじめまったく治療法がないとされる。
 さらに肺がんでも治療方法の異なる小細胞がんか、非小細胞かの確定診断に必要な気管肢内視鏡検査や針細胞診断もできないという。仮に可能とする治療法があったとしても何も出来ないのだ。
 幸い私の肺がんは肺内転移だけで、がん細胞の石灰化による壊死が一部認められ告知から15年が経つ。
 医学でいう5年生存率の観点からすれば治癒したと見なされる。しかし、私の肺がんは白血球が1万を超え、肺内転移の範囲は広く末期がんに近い病状になってきた」とし、
さらに「零歳被曝者の私にとってがんの発症は原爆放射線後障害の疑いは拭えない」という感想を記す。
 このような境遇からの表現の場というのは、日本の同人雑誌ならではの役割りを示している。とくに零歳児で放射能被曝をしたという点が、現在の福島第一原発事故以来、関心を呼んでいる放射能被害についての貴重な記録に思える。篠垤(しのづか)さんは、肺がんが原爆放射能の影響と考えているらしいが、その前の重度の心臓機能障害がすでに放射能の影響なのではないか、という推測が可能なような気がする。
発行所=309-1722茨城県笠間市平町1884-190、文学を愛する会。
 《参考》なお、放射能被曝の人体への影響については、少量なら良い影響があるというラッキー博士の研究<   玉川温泉のがん患者と「ホルミシス効果」の関係>や、それが重大な悪影響があるという<バンダジェフスキー博士の警告>研究がある。

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