146回芥川賞に 円城塔氏『道化師の蝶』と田中慎弥氏『共喰い』
第146回芥川賞・直木賞審査で、芥川賞に円城塔氏『道化師の蝶』、田中慎弥氏『共喰い』の2作品を選出した。2作品同時の受賞は、第144回(2010年下半期)に朝吹真理子氏『きことわ』と西村賢太『苦役列車』が受賞して以来。
円城氏は1972年北海道生まれ。2007年に『オブ・ザ・ベースボール』(文藝春秋)、2011年に『これはペンです』(新潮社)で同賞にノミネートされており、今回は“3度目の正直”で見事受賞となった。
田中氏は1972年山口県生まれ。2006年に『図書準備室』、2007年に『切れた鎖』(ともに新潮社)、2008年に『神様のいない日本シリーズ』(文藝春秋)、2010年に『第三紀層の魚』、そして今回、閉塞した地域社会での性と暴力を描いた同作で5度目のノミネート。過去には『川端康成文学賞』、『三島由紀夫賞』も受賞している。
芥川賞・直木賞は昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短編および長編の大衆文芸作品が対象となる。芥川賞は宮本輝氏、村上龍氏ら10名、直木賞は浅田次郎氏や伊集院静氏ら9名が選考委員を務めた。
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