詩の紹介 「ばら」 大井康暢
ばら 大井康暢
ばらを見たまえ
露が一滴玉のように落ちた
柔らかい花弁が
脂肪のように水をはねて
それだけがたった一つの存在でしかないように
じっとしている
大井康暢全詩集より 2011年11月 東京都板橋区・ コールサック社
紹介者 江素瑛(詩人回廊)
作者の詩人活動の早期の詩である。透き通る青春の美しさと誇らしさを素直に歌い、初々しさのある詩である。
「柔らかい花弁が
脂肪のように水をはねて」
汚れを弾き、浸透されない、われ以外のものをはねて、自らの存在を主張し
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