« 埴谷雄高の「自同律の不快」を考える  | トップページ | 東川篤哉さん「謎解きはディナーのあとで」(小学館)、書籍年間ベストセラー(平成22年12月~23年11月) »

2011年12月 2日 (金)

多和田葉子さん、拠点ドイツから日本を憂う(2011年12月1日 読売新聞))

 ドイツを拠点に執筆を続ける作家の多和田葉子さん(51)がデビュー20年を迎え、三代のホッキョクグマをめぐる物語『雪の練習生』(新潮社)で野間文芸賞を受賞することになった。日本を離れ、言葉と創作の旅を続ける作家に話を聞いた。(文化部 待田晋哉記者2011年12月1日 読売新聞))「多和田葉子さんデビュー20年…群れ揺さぶる「孤」の存在
 節目の作品は、「クヌート」の愛らしさに心を奪われたのがきっかけという。ドイツの動物園で生まれ、人工保育された実在のホッキョクグマだ。「わたし、リアリズムの作家なんです」。日独両語で執筆し、前衛的な言語の使い手と評される作家はいたずらっぽく笑った。
 「目にしたものをじっと観察すると、不思議な世界が見えてくる。言葉と語りが動き出す。それは旅に似て一度出発すると、どこへ行くのか分からない」
 強く心に残るのは、人間と暮らし、外界から隔絶されたクマの孤独だ。厳格な修道院で男と恋に落ち、周囲から浮き上がる尼僧を描く昨年の『尼僧とキューピッドの弓』(講談社)。異国の映画館で言葉の分からない映画を見続ける女性が登場する『旅をする裸の眼』(講談社文庫)。多和田文学のテーマの一つには「孤立」があるように見える。
 「オオカミの群れは、離れオオカミに支えられています。群れから恐れられ、嫌われながら離れオオカミは集団から距離を置くことで、彼らが抑圧しているものや未来の可能性を探り、集団を揺さぶる。そんな存在が好きなんだと思う」

|

« 埴谷雄高の「自同律の不快」を考える  | トップページ | 東川篤哉さん「謎解きはディナーのあとで」(小学館)、書籍年間ベストセラー(平成22年12月~23年11月) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 埴谷雄高の「自同律の不快」を考える  | トップページ | 東川篤哉さん「謎解きはディナーのあとで」(小学館)、書籍年間ベストセラー(平成22年12月~23年11月) »