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2011年9月 6日 (火)

詩の紹介 「凧」  陳千武 

「凧」      陳千武*
きみに繋がれたぼく だから/ぼくらの間には離れることのできない/関係が出来てしまったのだ/すべてを/  きみの主宰に/  きみの手配に まかせたぼくは/なおも高いところにゆらゆら揺らいでいる

きつくきびしく ぼくの/生命線を把握しているきみなのに/なにを憂えることがある?/固く握りすぎて/ ぼくが墜落或は自殺するのが怖いのか?/軽く弛めすぎて/ ぼくが離乳し高飛するのか怖いのか

風だけがぼくに同情を寄せる/ ぼくの向上を支持する/ぼくの高度を調節する/高ければ高いほど 見える世界が広い/それなのに きみは風のなかに/仕掛けた暗線で/ぼくを牽制している/国境を越えて/ 雲を愛してはならない/と牽制している
(「2011詩と思想 詩人集」土曜美術社出版販売より)
*別名恒夫。1922年南投県生まれ。台湾現代詩の代表詩「笠」の編集委員。
台湾現代詩協会顧問、嘗て文化センター館長。詩集、評論翻訳多数。
           
紹介者・江素瑛(詩人回廊)
凧に託し、遠く高く飛ぶ儚い夢をみる。「風だけがぼくに同情を寄せる/ ぼくの向上を支持する」。世界の潮流れが絶えず変わる、風は、抑えられている小さな潮でも大きく波を立たせる。ぼくは離陸したい、ひとりで独立して旅したい。世界中を飛びまわる夢を見ているぼくだが、タコ糸に操られる。それは宿命なのか、自らの選択なのか。長い間列強の国に翻弄された小さな国の現実を見つめる視線がある。

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